

© 2023 Kiyoshi Niiyama
Past Exhibition
新山清写真展
『 うさぎ 』
2023年2月7日(火) ~ 2023年2月19日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
2023年の干支・卯にちなんで新山清写真展「うさぎ」を開催いたします。主観主義写真で知られる新山清は、風景、スナップ、女性、花などジャンルを問わず、ありとあらゆるものを被写体とし独特なセンスで世界を切り取り続けた稀有な写真家です。残された膨大なネガには、うさぎの写真も数多く撮影されていました。どの写真からもフォルムの捉え方や光の読み方に”新山らしさ”が感じられ、一枚の写真を撮る前に被写体に穴が開くほど観察していたと言われていた新山の洞察力が光ります。約20点のモダンプリントを展示、販売いたします。うさぎだらけの写真展、卯年の新年にお楽しみいただけますと幸いです。
新山清 にいやまきよし
1911年愛媛県生まれ。主観主義写真作品を数多く残し、アマチュアリズムを貫いた写真家。理化学研究所勤務、ペンタックスサービスセンター所長を経て、アマチュア写真家の指導に尽力していた1969年凶刀に倒れ58歳という若さで早世した。没後は長男・洋一氏によって国内外での写真展を数多く開催している。ドイツ・ベルリンのキッケンギャラリーの契約作家でもあり、海外での評価も高い。

Past Exhibition
大和田良ゼミ16期修了展
『 ROWS16.exhibition 』
2023年2月21日(火) ~ 2023年2月26日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
この度、第16期となる大和田ゼミ修了展「ROWS16」を行います。大和田ゼミにおいては、常に写真の新しい可能性や探求を目的とした、実験的な制作や思考のプロセスそのものを第一の成果としています。そのため、作品の中にはまだ研究や制作の途上にあるものも含まれます。展示においてそれぞれが表すものは、単になにかの造形が描かれた写真ではなく、そこにたどり着く、あるいはその途上にある歩みや姿勢そのものであるとも言えるでしょう。展示においては、そのような修了生それぞれの制作に、訪れていただける皆さまの観る側からの視点や言葉を重ねて頂ければと思います。
大和田ゼミ16期(順不同)
清水善規 高知尾享 久保田恵子 塩澤朋子 塩田令子 後藤成子 田渕麻衣子 飯田夏生実
© 2023 Yuji Tozawa
Past Exhibition
戸澤裕司写真展
『 Tomorrow Land 』
2023年1月17日(火) ~ 2023年1月29日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
※戸澤裕司 & 鶴巻育子 ギャラリートーク開催
2023年1月20日(金) 19:00-20:30 定員10名 参加費無料
満員御礼 要予約 → https://jambooks.stores.jp/items/63c62614c9883d582c47b58c
https://www.youtube.com/watch?v=kbhvcWOC2mA&t=3607s
作家メッセージ
「子どもたちのお喋りに混ざってランドセルに付いた鈴の音が聞こえると、憧憬の念に駆られるのです。僕のランドセルにもお守りと鈴が付いていました。子どもたちの声や姿にいつも豊かで満ち足りていた子どもの頃を思い出し、目の前を歩く子どもたちと本気で友達になりたいと思っている今の自分に驚いています。
左眼は光を失い右眼もほとんど見えない。死を考えるほど落ち込んでいた現実から意識を遠のけるため、コロナ禍の記録に専念しようとカメラを手に恐る恐る街を彷徨うようになりました。街の様相は変わり目につくのは子どもたちばかり。彼らの姿がおぼろに霞んで視界に入るとまるで善の塊が此方に迫ってくるように感じて心が高鳴り、僕にとって救いに映ったのです。
今世界で戦争が起こっています。僕たち大人が作ったこの世界は光を失いつつあります。世界も自分も真っ暗闇の中にいるようです。だけど子どもたちの元気な声が聞こえてくると、こんな世界にもパッと光が差すのです。僕は『これから未来を輝かせることができるのは子どもたちだ。すべての子どもは光そのものだ。』と心から思っています。」
*この写真展は、2022年11月に開催した写真展『DESTINY』の作品から子供が写っている写真をピックアップし新作を加えて再構成した展示となります。
戸澤裕司 とざわゆうじ
1964年生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。1986年週刊朝日グラビア専属カメラマン。1989年フリーランスカメラマン。1990年代半ばから2021年まで写真家藤原新也氏助手。2000年から7年間作家五木寛之氏の旅に同行(講談社刊写真集『旅する作家 五木寛之 2001~2006』)、2015年日本写真学院講師、2017年「歩きながら撮りながら写真のこと語ろう会」WS主催。

© 2023 Ikuko Tsurumaki
Past Exhibition
鶴巻育子 写真展
『 お山のおいぬさま 』
2023年3月14日(火) ~ 2023年3月26日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
日本武尊が東夷討伐の際、御嶽山に陣営を設け東国一円を平定した。再び西北に向けて進めていたところ、深山の邪神が大きな白鹿と化して進路を塞いだ。尊は山蒜(やまびる)を投げつけその白鹿を退治したが、山谷は鳴動し雲霧が立ち込め、道を進むことができなくなってしまった。そこへ忽然と一頭の白狼が現れ、尊と軍を西北へ導きことなきを得た。尊は白狼に「本陣に帰り、大口真神(おおくちまがみ)としてすべての魔物を退治せよ」と告げ、白狼はその命をかしこみ、一礼をして御嶽山に戻り守護を務めた。2000年以上前から受け継がれる武蔵御嶽神社の狼信仰。江戸の中期頃からは、御師たちの熱心な活動によって関東一円に信仰が広まった。神様のお使いとされる狼(大口真神)が祀られ、魔除けや豊作祈願の神様として庶民にも知れ渡り「おいぬさま」と親しみを込めた呼び名が生まれた。
狼信仰で知られる青梅・御岳山。山上山下にある宿坊、社家の内神前に祀られるおいぬさま50体を写真家・鶴巻育子が撮影し一冊の写真集にまとまりました。出版を記念し写真展を開催します。
鶴巻育子 つるまきいくこ
1972年東京生まれ。写真家、Jam Photo Gallery主宰。広告代理店在職中に写真を学び、ブライダル写真事務所に勤務した後カメラマンアシスタントを経て独立。広告写真、カメラ雑誌の執筆の他、写真講師など幅広く活動。個展・グループ展多数開催。

© 2023 Shigeaki Aono
Past Exhibition
鶴巻育子ゼミ修了展
『 Ikuko Tsurumaki Work Shop Exhibition (Sun) 』
2023年3月28日(火) ~ 2023年4月9日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
鶴巻育子ゼミでは、参加者が個々に設けたテーマに沿って半年間で作品を完成させる試みを行っています。ひとつの作品を作り上げるには十分な期間とは言えませんが、制限された時間の中でテーマを掘り下げながら研究やリサーチを重ね、制作過程における思考や新しい発見を重視しながら、見せることを意識した自身の表現に挑戦しています。
青野茂昭 中村真弓 福浦秀一 山口ひろみ 山下雅実 渡辺百合世

© 2023 Tomomi Ochi © 2023 Shoko Morishita
Past Exhibition
越智友美『 あの旅は何だったのか。』
森下聖子『 ここから 』
2023年4月11日(火) ~ 2022年4月16日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
「あの旅は何だったのか。」
インターネットがあれば買い物も仕事もできる、とても便利な世の中だから、独りで引きこもっていても生きていけると思っていました。ところがコロナ渦で街が静まり返ると、何らかの不安な気持ちが私の中にも広がっていくのを感じ ました。自分の暮らしは何一つ変わらないはずなのに。多くの人が大切な人とのふれあいや温もりを絶たれて暮らしているというニュースを目にする度 に、人々の孤独と私の孤独が重なり合い、まるで自分の中にある寂しさが語られているかのような気持ちに陥ったのだと思います。「誰かに逢いたい」「くだらない話をして、一緒に笑い合いたい」今まで気づかないふりで封印してきた自分自身の寂しさについてやっと向き合い、きちんと考え る覚悟ができました。窓の外が以前の景色に戻りつつある今、私も固く閉じていた扉を開けて、外に出てみます。写真を通して、新しい出逢い、新しい居場所、新しい自分を自由に探してみます。
越智友美 おちともみ
オリンパスのTRIP35を組み立てるワークショップに参加したことをきっかけに、フィルムカメラと出会う。当初はカラーフィルムで撮影していたが、近年はモノクロフィルムで撮影し、暗室で手焼きすることが楽しみ。
「ここから」
2020年春、コロナ流行がはじまる時期に私は通信制大学の写真コースを卒業。1年間かけて必死に取り組んだ卒業制作の展示も卒業式も中止になり、喪失感や虚無感と不安が入り混じった感情に包まれていた。古いネガの束を、タンスの中から見つけた。卒業後、次の制作意欲が生まれないなか、このネガをプリントしたいという気持ちは強く湧き起こる。半世紀以上も前の家族の映像が、思った以上に鮮明な浮き上がってくる驚きと感動から、気づくと約3年間暗室に通っていた。懐かしい記憶が蘇るとともに、晩年は頑固で面倒くさい印象だけが残っていた父の視線の優しさに気づく。父母ともに他界して10年ほど経って、改めて二人の人生を思い返すきっかけとなった。
森下聖子 もりしたしょうこ
京都造形芸術大学通信美術科写真コース卒業 育緒暗室ゼミ受講
2020年8月 グループ展「quartette」IG Photo Gallery において「時の重なり」を発表
時間が経つことによって醸し出される、記憶や気配をとらえた作品制作を目指している。
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© 2023 Junko Inoue
Past Exhibition
鶴巻育子ゼミ修了展
『 Ikuko Tsurumaki Work Shop Exhibition (Sat) 』
2023年4月18日(火) ~ 2023年4月30日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
鶴巻育子ゼミでは、参加者が個々に設けたテーマに沿って半年間で作品を完成させる試みを行っています。ひとつの作品を作り上げるには十分な期間とは言えませんが、制限された時間の中でテーマを掘り下げながら研究やリサーチを重ね、制作過程における思考や新しい発見を重視しながら、見せることを意識した自身の表現に挑戦しています。
石綿葉子 井上純子 川瀬まり子 榊原裕子 佐藤睦美

© 2023 Emi Yamamoto
Past Exhibition
山本瑛美 写真展
『 私以外変わっていく 』
2023年5月2日(火) ~ 2023年5月7日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
変わることが苦手で、現状維持に安心する。
でも周りはどんどん変わっていく。
まるで変わらないことが悪いことだと言っているかのように。
私はそういう変化についていけない。
そんな考えを根底に、旅を被写体にして、複数シリーズの写真で表現しました。
山本瑛美 やまもとえみ
1984年生まれ。千葉県出身、東京都在住。グルメ系WEB企業で働きながら、2013年より写真教室に通い始める。2017年、Abox Photo Academyアートコースに一期生として入塾、アートとしての写真を勉強をはじめる。自分は普通ではないのかもしれないと感じることがよくある。そんな思いに戸惑いながらも、自分の内面にある思考を止めることもできず、その揺れや悩みを写真で表現している。
https://www.emiyamamoto.com
https://www.instagram.com/emitan_tabi

© 2023 Alao Yokogi
Past Exhibition
横木安良夫 写真展
『 追い越すことのできない時間 Catch it if you can 』
2023年5月30日(火) ~ 2023年6月11日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
1970年代から広告、ファッション、エディトリアル、ドキュメンタリーと幅広い分野で活躍し、スナップの名手としても知られている横木安良夫。様々な媒体やギャラリーで作品発表を行ってきた横木氏ですが、近年の展示はジャンルやテーマ性に捉われず、写真の持つ意味や可能性を問い続け、より自由な思考と発想で構成されているのが特徴と言えます。
今展でも、ジャンルやテーマ性を持たず、横木氏が学生時代に撮影したモノクロ写真、1980〜2000年代のファッション写真、海外スナップ、そして近年撮影された日本のスナップをミックスし、タイトルにある「追い越すことのできない時間」をキーワードに構成しています。誰もが毎日写真を撮る時代。観る人それぞれが、写真とは何かを改めて考える機会になるでしょう。
作家メッセージ
アインシュタインは「時間の存在」を否定しました。それでも私たちは日常生活で時計やカレンダーを使い、時間に振り回されています。写真はシャッターを切ることで「時空」を凝固させ、過去、現在、未来を繋ぐ役目を持っています。 今回「追い越すことのできない時間」という言葉に共鳴する写真をセレクトしてみました。 それらの写真が何を語りかけるか感じてほしい。
Einstein denied the existence of time, yet we are still at the mercy of clocks and calendars in our daily lives. Photographs freeze the "spacetime" and play an important role in connecting the past, present, and future. In this exhibition, we have selected photos that resonate with the phrase "time that cannot be overtaken." Among them are moments where "spacetime" once intersected, and we invite you to imagine the insights and pleasures that come with them. We hope you will feel what these photos have to say.
横木安良夫 よこぎあらお
1949年 千葉県市川市生まれ。
1971年 日本大学芸術学部写真学科を卒業。
写真家のアシスタントを経て、フリーランスの写真家として、広告、エディトリアル、ファッション、
ドキュメンタリーなど多様な分野で活動。
1994年 初めてベトナムを訪れ、以後20回以上取材を行い、この頃から文筆も始める。
2009年 テレビ朝日とキヤノンが提供する番組「世界の街道をゆく」のムービーとスチールを担当。
2015年 Amazon Kindle向けに電子写真集「CRP FOTO」の制作プロデュースを始める。
https://www.instagram.com/alao_yokogi
https://www.facebook.com/alao.yokogi
https://aypcrp.com

© 2023 Atom Ginjo
Past Exhibition
銀城アトム 写真展
『 窓映 』
2023年6月20日(火) ~ 2023年7月2日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
俳優業の後1980年から写真を始め、1985年に作品制作を目的として14年間パリに在住した銀城アトム。1999年に帰国しましたが、その後病に倒れ2005年惜しまれながらこの世を去りました。
フランスに渡った当初は、盛んに街に繰り出しパリの人々を撮り続けていたそうです。しかし、人物を被写体にすることで度々トラブルに遭遇します。相手がにっこりと笑うので、気持ちよくシャッターを切ると金銭を要求される、カメラを壊されたり、警察に一晩厄介になったこともあったと言います。そのような体験によるものか、心境の変化によるものなのか、銀城の作品テーマは風景へと変わっていきました。その内のひとつである『窓映』は、パリ市内やパリ近郊の窓からの風景を撮影した作品となります。
窓の向こうに見える街並みはパリの人々の息づかいが、ベランダから室内を写した写真からは家主の生活が静かに感じ取れます。どのプリントからも人の気配や温もりが伝わってくるのは、ストリートスナップで撮る人物との距離感は違えど、人への愛着を捨てきれない銀城氏の素朴な人間味が見え隠れしています。そして、窓ガラスに反射した建物や樹木の歪んだイメージが重なり合う光景は、写真の中で新しい世界に出会う喜びを求め続ける銀城氏の執念や好奇心も同時に映り込んでいるようです。
銀城氏は生前、プリント作品を整理し妻の康子さんに託しました。『窓映』のプリント作品は計55点存在します。そのうち約20点を展示・販売いたします。
「銀城はプリントの鬼だった」と康子さんは語ります。美しい銀塩プリントを是非ご覧ください。
銀城アトム ぎんじょうあとむ
本名 銀城敏彦。1951年3月31日樺太生まれ。俳優業の後1980年より写真を始める。雑誌を主体にフリーカメラマンとして活動。1985年よりフランスに在住し作品制作に打ち込み1999年10月に帰国。2005年4月6日死去。享年54歳。
個展
1982年10月 『ヨーロッパの恋人たち』松屋デパート浅草
1988年10月 『パリっこ』松屋デパート浅草
1989年11月 『深影過 Ombres lintaines』M.J.C. Daniel Sorano de Vincennes
2004年 4月 『遠行希』アイデムフォトギャラリー シリウス
2007年 7月 『窓映・パリの夜』リコーイメージングスクエア銀座
2011年 9月 『巴里瞬間』ギャラリーコスモス
2016年 8月 『巴里好日』リコーイメージングスクエア銀座
グループ展
1885年 7月 『子供達』7月の会 新宿オリンパスギャラリー
1988年 4月~1989年3月 Au Duc Des Lombards Paris (毎月展示替えによるマラソン写真展)
1889年 7月 『パリからの手紙』7月の会 新宿オリンパスギャラリー
1991年 7月 『パリからの手紙2』7月の会 新宿オリンパスギャラリー
2002年 6月 『郊外放浪』ルージュ フォトスペース光陽2 ビエンナーレ
1997年 5月 『ナンシー国際ビエンナーレ映像展 テーマ:街の現状』にて「窓映」が選出
コレクション機関
パリ市歴史図書館 『窓映』『パリの夜』『街頭スナップ』
フランス国立図書館『窓映』『遠行希』『イル・ド・フランス』
ナンシー市立ギャラリー ロベール・ドアノー『窓映』

© 2023 Shigeaki Aono
Past Exhibition
青野茂昭 写真展
『 飛行機標本 』
2023年7月18日(火) ~ 2023年7月23日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
成田空港のそばに生まれて、いつも飛行機を眺めて育った。そのせいか中学生の頃からパイロットに憧れていた。進路を考える高校2年生になって具体的にその道への一歩を進もうとしたとき、当時は受験資格が視力1.0以上が条件と知り、早々にパイロットになる夢は諦めることとなった。高校2年の修学旅行であの赤い鶴のマークがついた日本航空のジャンボ機に乗ってから、飛行機の写真撮影に夢中になった。
仕事を始めてからも、成田や羽田はもちろん、転勤先の東北、北海道、九州、アメリカなどで旅客機を中心にあちこち撮影に出かけた。日本航空のジャンボジェットのラストフライトの時には仕事を休んでハワイまで撮影に出かけたほどだ。かれこれ40年以上も飛行機撮影に没頭している。自分自身では空を自由に飛び回ることはできないが飛行機に乗ると世界のあらゆる所に短時間で移動できる憧れがある。自分が乗っていなくても飛んでいる飛行機を見るでだけで心が癒される。飛行機の嫌いな人にとってはただの騒音にしか聞こえないエンジンの音を聞くだけでどんな飛行機が飛んでいるか機体を探しに空を見上げることにワクワクしてしまう。飛行機を見たり、エンジンの音を聞いているだけで幸せな気分になってしまう。興味のある飛行機の機番を記録するためにコレクション的に飛行機の撮影を初めたがその後は地上にいる飛行機・飛んでいる飛行機を風景と共に撮影するのが好きになっていった。
これまで撮影した枚数は裕に100万枚は超えている。青い空や夕焼け空、夜空をバックにドラマチックな情景で捉えられた時は至福のときだ。ヘリコプターからの撮影に挑むこともあれば、限定ラッピングの旅客機を目的に空港へ入浸る日もある。とにかく様々な方法で飛行機をカッコよく撮ることに熱中してきた。2020年から東京の都心上空を旅客機が通過する羽田新ルートができて、都心の真上に飛行機を簡単に見る機会ができた。機種ごとに異なった翼や胴体、それぞれの航空会社のロゴやカラーがシンプルな背景だけにより際立つ。改めて写真にすると、巨大な飛行機がまるでおもちゃや生き物のように見えてきた。子どもの頃昆虫採集をしたような気持ちで、カメラを使って飛行機を集めてみた。真下捉えた飛行機たちの、飛ぶために作られた無駄のないフォルムがより強調されて写っていた。飛行機の美しさに改めて感動している。
青野茂昭 あおのしげあき
1964年千葉県成田市生まれ。医師。1980年から写真を始める。
2016年10月 成田飛行機クラブ写真展 IMPRESSIVE SKIES 出品
2021年 8月 成田飛行機クラブ写真展 IMPRESSIVE SKIES’ 出品
2022年 3月 鶴巻育子ゼミ修了展 Trimmed Tokyo Sky 出品
2022年12月 SKY MOMENTS日本航空写真家協会2022写真展 入選
2023年 3月 鶴巻育子ゼミ修了展 飛行機標本 出品

© 2023 Ryuhei Nakashima
Past Exhibition
JPG's FAVE #2
中嶋琉平『 come into this crossing 』
2023年8月1日(火) ~ 2023年8月13日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
Jam Photo Galleryが注目の新進写真家をピックアップする JPG’s FAVE。第2回目は鶴巻育子のセレクトによる高校生写真家・中嶋琉平の展示を行います。新宿で生まれ育った根っからの都会っ子である中嶋琉平は、モノクロフィルムでアナログプロセスにこだわり写真を撮り続けています。写真に限らず古いビデオカメラを使用しての映像作品など、実験的で自由な発想でさまざまな表現に挑戦しています。今回の展示ではスケートボーダーならではの視点とアイディアで、地元である新宿の街と友人たちの姿を撮影した作品で構成します。若さという言葉だけで括りきれない表現力と技術が備わった中嶋琉平の写真を、この機会にたくさんの方にご覧いただければ幸いです。
作家メッセージ
いつもとにかく新宿にいる。小さい頃からずっとだ。毎日学校から帰って、家から10分プッシュして西口の中央公園へ行っている。街を歩き回ってスナップしたり、スケートでクルージングしたり。サテン、レコ屋、ギャラリー、映画も新宿で。友人の一人なんかこの街に愛着がありすぎて、いつも”この街しかない”と言っている。僕もそう思うし、この街が好きだ。他の街とは比べられない。混沌としているこの街ではいろんな人間とすれ違う。仕事帰りの会社員、スケーターもいるし、カップルも、学生も、写真家も、音楽家も、若者も、老人も。みんな路上ですれ違う。僕自身もこの街でいろんな人間と出会ってきた。そう、新宿は交差点だ!スケーターとしての自分と写真を撮る自分もここで交差する。隙間をぬうように進み、だんだん遠くへ人混みの奥へと消えていくスケーターを見ていたら、この街は絶えず動いていて、生きているのだと感じた。ほんとうに、人や物はどんどん過ぎていってしまうから、いつでも写真を撮らないではいられない。
中嶋琉平 なかしまりゅうへい
写真家、都立高校に通う高校生、スケーター。新宿中央公園を根城にストリートスナップやスケート仲間たちを撮影。自宅暗室で自らプリント作業を行うほか展示やzine制作など精力的に活動している。

© 2023 Keiko Kubota
Past Exhibition
くぼたけいこ 写真展
『 かさねがさね 』
2023年8月15日(火) ~ 2023年8月20日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
コロナ禍によって生活が一変し、私たちはこれまで見逃していた日常の中での些細な煌めきや喜びに気付くようになりました。くぼたけいこはそれらを丁寧に写真の中に収めました。数種類のペーパーを用い異なったサイズと額装方法でアウトプットされた写真群で構成されます。作者が受けた小さな感動が複雑に重なり合い、ひとつの美しい空間が完成しています。
作家メッセージ
コロナ禍、遠出をする事が難しくなり自分の身近な街や部屋や日々の暮らしに目が行くようになりました。自分の生活する街や部屋にもキラキラと煌めく瞬間があり、そんな小さな感動を撮ることで、コロナ禍のえもしれない不安が癒されている事に気がついたのです。そして私はそんな瞬間を写真という静止した画像の中で表現したいと思いました。空気の揺らぎ、風の流れ、光の煌めき、空間の奥行き、そしてそこにある気配を残せたら・・薄い和紙やトレッシングペーパーにプリントして、それを余白をつけた写真に重ねるとそこに新たな絵が生まれ揺らぎや煌めきの空気感が漂いました。押し花も和紙を重ねてパネルに仕立てる事で写真の中に風の揺らぎや奥行きを感じられるようにしました。そんな想いを重ねる日々に、私の暮らしも重なってこの作品になりました。
くぼたけいこ
1976年 東京デザイナー学院卒業後テキスタイルデザイナーになる。
1996年 テキスタイルデザイナーの仕事に限界を感じ、車の運転が好きな事もあってタクシードライバーになり、現在は個人タクシーのドライバーとして働いている。
2011年 東北の大震災で大勢の人が簡単に亡くなっていくのを見て、やりたい事をやらないでいたら自分が死ぬ時後悔する。後悔しない人生を生きなくてはと思い学生の頃からやりたかった写真を始める。
以後 PHaT PHOTO写真教室、神島塾、熊谷聖司パネル講座などを受講し、現在は大和田良ゼミを受講中。これまで年1~2回のペースでグループ展に参加し、今回は初の個展開催となる。

『 蚤の市 & 写真なんでも相談室 』
2023年9月1日(金) ~ 2023年9月3日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
Jam Photo Gallery 久々の蚤の市開催!
フレーム、マット、プリント用紙、写真集など、掘り出し物盛り沢山。
写真なんでも相談室では、制作中の作品について、予定している写真展構成、カメラの使い方、写真集を作りたい、人生に迷っているなど、写真についてのお悩み解決のプチ相談会です!
Jam Photo Schoolの講師、岡嶋和幸先生&大和田良先生も来場!
岡嶋和幸:9月1日(金) 13:00-18:00
大和田良:9月2日(土) 13:00-15:00
鶴巻育子:全日 終日
*混み具合によって相談時間が異なりますのでご了承ください。

© 2023 Rie Kataoka
Past Exhibition
片岡利恵 写真展
『 ディスタール 』
2023年9月19日(火) ~ 2023年10月1日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
片岡利恵は2015年に写真を始めた当初から一貫して死生観を花に投影した作品作りを続けています。看護師として働き緩和ケア病棟に勤務した経験が強く影響していることは想像つきますが、それらはケアや共存など社会へ問題定義するための表現ではありません。片岡にとって花を写すことは日々生まれる感情を自身の中で理解し消化するためだと言います。片岡が撮る花は生命力に溢れ、何より泥くさい。生も死も美化することなく正面から死と向き合い、生きることを純粋に模索し続ける片岡自身そのものにも見えてきます。今作「ディスタール」は変わらず花をモチーフにしつつ、祖母との記憶と過去に担当した患者との関係を振り返り、距離をキーワードに置き制作しています。
「いつも橋を渡る時だけ手を繋いで欲しいとばあちゃんは言った」
「突然ハグっと抱きついてくることがあった。そして、ぷはーと深呼吸をして離れていく。」
改めて、人との繋がりや距離感について考える機会を与える作品です。
片岡利恵 かたおかりえ
滋賀県出身。緩和ケア病棟に勤務歴のある看護師。迫り来る死を待つ患者に対し、生身の人間として向き合う看護の現場での様々な経験や生まれてくる強い感情を、花に投影することで理解、消化しながら独自の死生観を得ようと試みている。
「その時が来る前に」 (ギャラリーマロニエ / 2018)
「How are you Photography?展」 (ギャラリーマロニエ / 2015~2021) *グループ展
「一塵法界 コロナのさなか」KG+2020 (Books Herring / 2020) *グループ展
「合わせ鏡」 (Place M / 2022)
https://iiiid.photography/1853 *FOUR-D
https://artscape.jp/report/review/10181141_1735.html *Artscape 飯沢耕太郎氏によるレビュー

© 2023 Shinsuke Matani
Past Exhibition
鶴巻育子ゼミ修了展
『 Ikuko Tsurumaki Workshop Photo Exhibition (Sun) 』
2023年10月10日(火) ~ 2023年10月15日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
鶴巻育子ゼミでは、参加者が個々に設けたテーマに沿って半年間で作品を完成させる試みを行っています。ひとつの作品を作り上げるには十分な期間とは言えませんが、制限された時間の中でテーマを掘り下げながら研究やリサーチを重ね、制作過程における思考や新しい発見を重視しながら、見せることを意識した自身の表現に挑戦しています。
青野茂昭 中村 真弓 真渓 伸介 山下 礼子


© 2023 Masami Yamashita
Past Exhibition
鶴巻育子ゼミ修了展
『 Ikuko Tsurumaki Workshop Photo Exhibition (Sat) 』
2023年10月17日(火) ~ 2023年10月22日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
鶴巻育子ゼミでは、参加者が個々に設けたテーマに沿って半年間で作品を完成させる試みを行っています。ひとつの作品を作り上げるには十分な期間とは言えませんが、制限された時間の中でテーマを掘り下げながら研究やリサーチを重ね、制作過程における思考や新しい発見を重視しながら、見せることを意識した自身の表現に挑戦しています。
井上純子 川瀬まりこ 佐藤睦美 福浦 秀一 山下雅実
© 2023 Kenji Ishida
Past Exhibition
石田研二 写真展
『 Plain Plants 』
2023年10月31日(火) ~ 2023年11月12日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)
強いコントラストによる表現が自分の写真には向いていると感じた石田研二は、1980年頃から赤外線フイルムを用いて作品作りを開始しました。現在は赤外線写真専用に改造したデジタルカメラでモノクロ、カラー写真の両方で作品作りを行なっています。デジタルになってからは積乱雲を撮ることに熱中し雲ばかり追いかけていたと石田氏は話しますが、日頃から東京中を歩き回り高層ビルなど都市風景や身近な植物などさまざまな被写体を赤外線カメラで撮影しています。
今作「Plain Plants」は石田氏の膨大な赤外線写真の中から植物をピックアップしています。現実味のない独特な色味や質感は、撮影したデータをさらにパソコン上で画像処理を施すことによって生まれています。画像の加工は仕上がりのイメージを明確に持たないと迷走してしまうものです。石田氏は自分が納得する色出しを忠実に再現しようと試み、ときには偶然性を楽しむ方法で作品作りを行なっているそうです。
「世界でたったひとつの色を出したい」
一見違和感のある植物たちの姿ですが、石田氏にとっては当たり前の植物の姿なのかもしれません。長年写真に携わってきた経験と自由奔放で好奇心旺盛な石田氏の気質が、一枚いちまいの写真に反映されています。
石田研二 いしだけんじ
1949年京都市生まれ。大阪芸術大学デザイン学科を卒業後、野町和嘉氏に師事。コマーシャルフォトグラファーをして活動する一方、ストリートフォトやネイチャーフォトなど、ジャンルを問わない幅 広さが持ち味。最近は赤外写真に新境地を開いている。また、東洋美術学校で講師をつとめるなど若いフォトグラファーの育成にも多くの経験を持つ。日本写真家協会(JPS)会員。
主な個展
1989年 「リフレクション」銀座キャノンサロン
1999年 「グッデェイ サンシャイン イン TOKYO」コニカギャラリー
2009年 「僕の水槽」 アートグラフ銀座 プライベートスペース
2014年 「Daytime Infrared Images 晴れた日に partII」GALLRERY COSMOS
2020年 「東京幽景」Jam Photo Gallery
主なグループ展
1994年 「TOKYO’95 ポスター展」東京セントラル美術館
2000年 「APA企画展 地球と人間:Yes.No.」東京写真美術館
© 2023 Alao Yokogi
Past Exhibition
横木安良夫 写真展
『 BLOCKFOTO 〜アレ、ブレ、ボケ、ブロック〜 』
2023年11月28日(火) ~ 2023年12月3日(日) ※12:00-19:00(土曜日曜17:00迄)
※横木安良夫 & 大和田良 ギャラリートーク開催
2023年12月2日(土) 17:00-18:30 定員25名 参加費1,000円
要予約 → https://jambooks.stores.jp/items/6545b485c2d1e42151b54446
写真は誕生したときから技術者は高解像度を望み、写真を芸術だと考える者たちにとってはその事が鼻についていた。言い換えれば多くの写真家は「如何に写っていないか」を大切にした。大型カメラで撮るより映画のフィルムを使った小型カメラの粒子を偏愛した。便器がアートになった現代芸術は写真の即物的な精密さえも芸術と考えた。写真家はますます格闘する。アレ、ブレ、ボケは芸術写真の復権のパラドックスだ。デジタル時代になり再び技術者は高解像度を目指している。そして最新のカメラを手にして、再び「写らない」ことに惹かれてゆく。
横木安良夫 よこぎあらお
1949年 千葉県市川市生まれ。
1971年 日本大学芸術学部写真学科を卒業。
写真家のアシスタントを経て、フリーランスの写真家として、広告、エディトリアル、ファッション、
ドキュメンタリーなど多様な分野で活動。
1994年 初めてベトナムを訪れ、以後20回以上取材を行い、この頃から文筆も始める。
2009年 テレビ朝日とキヤノンが提供する番組「世界の街道をゆく」のムービーとスチールを担当。
2015年 Amazon Kindle向けに電子写真集「CRP FOTO」の制作プロデュースを始める。
https://www.instagram.com/alao_yokogi
https://www.facebook.com/alao.yokogi
https://aypcrp.com


© 2023 Kazuyuki Okajima
Past Exhibition
岡嶋和幸 写真展
『 房総ランド 江戸川篇 』
2023年12月5日(火) ~ 2023年12月17日(日) ※12:00-19:00(土曜日曜17:00迄)
令制国の「安房国」「上総国」「下総国」を合わせた地域の呼称「房総」。その半島の部分が房総半島で、千葉県の大部分を占める。中世までは利根川流域に内海があり、四方を海や川に囲まれ島に近い状態だったいう。英語の「island」には「島に似たもの」「島のように孤立した存在」などの意味がある。千葉は陸続きではないため、関東のほかの地域とは風土が異なることを、東京と行き来して感じている。
山と海に囲まれたレジャー施設「行川アイランド」。2001年に閉園となり、現在はJR外房線の駅名だけが残る。そこから脱走したシカ科の特定外来生物「キョン」が大繁殖。生息域が徐々に広がり、近年は柏市など東葛地域でも目撃されている。千葉県全域で“行川アイランド化”が進行しているわけだ。閉園後、秘境に逆戻りするかつての南国の楽園に思いを馳せながら、房総という土地を観察している。
茨城県、埼玉県、東京都と千葉県の県境を流れる「江戸川」。千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」の鼻の先から舌までの輪郭に相当する。今回は利根川と分流する関宿分基点から、東京ディスニーランドがある旧江戸川河口まで約60kmを歩いた。
岡嶋和幸 おかじまかずゆき
1967年福岡市生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。世界を旅して詩情豊かな作品を発表するほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「ディングル」「風と土」のほか著書多数。