
© 2024 Kiyoshi Niiyama
Past Exhibition
新山清 写真展
『 コンタクトプリントからみる新山清の眼 』
2024年1月16日(火) ~ 2024年1月28日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
フィルム時代のコンタクトプリントは写真家の撮影プロセス、被写体へのアプローチ、写真家の心理まで探ることができます。また、引き伸ばされたプリントを同時にみることで写真家の視点が一層浮き上がります。
主観主義写真に於いて重要な写真家として海外でも高く評価されている新山清。特に風景写真を好んで撮影していた新山は「自分のからだにじかに感じる風景の内面的なものを写したい」と語っていたように、被写体そのものに頼り過ぎず、常に自身の視点でものを見ることに重視していました。新山のコンタクトプリント見ると、同じ風景や物であっても少しずつ角度や距離を変えながら慎重にフレーミングしているようすがうかがえます。一方、プリント作品は大胆なトリミングが目立ちます。写真となった風景を暗室作業によってさらに自分だけの風景へと完成させようとする新山の執着と柔軟さが見て取れます。
本展では、新山自身が焼いたプリント作品と一緒にコンタクトプリントも展示いたします。写真家が一枚の作品を完成するまでの道すじを辿りながら、美しいヴィンテージプリントをお楽しみください。
新山清 にいやまきよし
1911年愛媛県生まれ。主観主義写真作品を数多く残し、アマチュアリズムを貫いた写真家。理化学研究所勤務、ペンタックスサービスセンター所長を経て、アマチュア写真家の指導に尽力していた1969年凶刀に倒れ58歳という若さで早世した。没後は長男・洋一氏によって国内外での写真展を数多く開催している。ドイツ・ベルリンのキッケンギャラリーの契約作家でもあり、海外での評価も高い。


© 2024 Reina Kanamori
Past Exhibition
金森玲奈 写真展
『 まんぷく図鑑 - 美味しいものは目で見ても美味しい - 』
2024年2月13日(火) ~ 2024年2月25日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
※金森玲奈 ワークショップ開催 各定員6名 参加費 5,500円(お菓子代込み)
A:2024年2月18日(日) 17:00-18:30 *SOLD OUT
B:2024年2月23日(金祝) 10:30-12:00 *SOLD OUT
満員御礼 → https://jambooks.stores.jp/items/656e56fe49abed0c267cc7a1
いつ頃からだろう、仕事のあとに食べる甘くて美味しいものが楽しみのひとつになったのは。
昔ながらの喫茶店や、新しくオープンしたオシャレな内装のカフェで食べる美味しくて可愛らしいスイーツたち。頑張った自分へのご褒美だからと気になるお店を見つけると、スマートフォンの地図アプリにピンを刺して、いつか訪れる日を心待ちにしていました。
誰かとご飯やお茶をする機会が失われた2020年の新型コロナの流行。先の見えない不安な日々の中で、心の支えになったのはいつか行きたいと思っていたお店の存在でした。コロナが落ち着いたら、もう少し我慢したらきっと行くんだと思っていたある日、行きたかったお店のひとつが閉店したことを知りました。いつかがもう来ないこと、それがこれからも起こるかもしれないと思った時、コロナ禍でやりたいことができました。
そうして始めた一人カフェ巡り。最初は自宅から自転車で行かれる範囲の地図アプリに収集していた
行きたいお店を訪れ、行った記念に写真を撮ってスイーツを堪能して帰る。あくまでお客さんとして
お店の邪魔にならないように、でもせっかくなら写真はしっかり撮りたいし、と次のお店を選びつつ、
自分なりの撮影ルールを決める時間が楽しくて、しぼんでいた心が少しずつ元気になっていくのを感じ
ました。
この度、私の心もおなかもまんぷくにしてくれた可愛くて美味しい存在をお裾分けする展示を目黒の
Jam Photo Gallery で開催します。私の美味しい記憶をお菓子好き、写真好きな人たちと共有できたら嬉しいです。
金森玲奈 かなもりれいな
1979年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター等勤務を経て2011年よりフリーランスとして活動を開始。在学中より都会の片隅に生きる猫の姿を記録し続けてきた。近年は日々の中で出会う心のゆらいだ瞬間にカメラを向けている。個展・企画展多数。清里フォトアートミュージアムにて二作品が永久収蔵されている。

© 2024 Philippe Salaün
Past Exhibition
Philippe Salaün 写真展
『 愛おしい日常 』
2024年3月5日(火) ~ 2024年3月17日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
ロベール・ドアノーをはじめ、これまで多くの著名写真家のプリントを制作しプリントアーティストとしての地位を築いたフィリップ・サルーン。写真家としても精力的に活動し多くの作品を残しています。本展では日常の何気ない出来事や市井の人々をとらえたスナップ写真を展示、販売いたします。ヒューマニストとして知られるサルーンのあたたかく、時にユーモラスな眼差しによって広がる豊かな世界。本人による美しい手焼きプリントをお楽しみください。*企画協力:G.I.P.Tokyo
Philippe Salaün フィリップ・サルーン
1943年フランスに生まれる。1968年パリでスタジオの助手となり、写真家として歩み始めた。一方プリントアーティストとしての道は1970年プロラボでの技術習得から始まり、1979年にプリント専門のアトリエをパリでスタートさせた。以降ロベール・ドアノーをはじめヨーロッパの著名写真家のポートフォリオを作製し、プリントアーティストとしての地位を築いた。若い人の指導にも貢献し、日本との親交も深く、個展やプリントワークショップを開催していた。2020年、77歳で死去。
Past Exhibition
5th Jam Photo Gallery
2024年3月26日(火) ~ 2024年4月7日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
おかげさまで Jam Photo Gallery は2024年3月26日に5周年を迎えることができます。これもひとえに Jam Photo Gallery で展示をしてくださった写真家や写真愛好家の方々、そしてご来場くださる写真を愛するお客さまのご支援があったからこそです。心よりありがとうございます。
6年目となるスタートとして各方面で活躍する48名の写真家にご協力いただき、48枚の写真を8×10インチという小さなフレームに収めて展示・販売いたします。なぜ8×10インチなのか。写真を購入したり飾る文化が根付いている欧米に比べ、日本では写真愛好家も写真ギャラリーも多く存在するにも関わらず、作品のコレクションや飾ることに興味を向ける方はそう多くないのが現状です。日本の住宅事情によって飾るスペースがないと言う理由をよく耳にします。そこで写真作品を所有する喜びや楽しさを感じていただくきっかけとなればと考え、今展では8×10インチの飾りやすいサイズに限定することにいたしました。そして写真家の方々のご協力の元、すべてフレーム付き一定価格で販売いたします。
写真家にはそれぞれ1枚のみをセレクトしていただきましたが、その1枚を決めることは悩ましい依頼であったようです。48名の写真家がなぜその作品を選んだか、想像するのも鑑賞を楽しむ方法のひとつかもしれません。今回ご参加いただいた写真家の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
この先もみなさまの写真生活が少しでも豊かになるよう、写真家活動は元よりギャラリー運営をしてまいります。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
鶴巻育子

© 2024 Shouji Takushima
Past Exhibition
宅島正ニ 写真展 1974軍艦島 閉山から50年
『 緑なき島を去る人々 その時・・・』
2024年4月16日(火) ~ 2024年4月28日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
1974年1月をもって軍艦島の炭鉱が閉山となることを耳にしたのは1973年の秋であった。端島というのが正確な名である。戦艦土佐にシルエットが似ている事で軍艦島と呼ばれるようになった。幅160 m、長さ480m。東京ドームおよそ5個分という小さな島は、炭鉱により日本の近代工業の発展を支えてきた。最盛期には5,200人もの人々が住み、人口密度は東京の9倍に達し世界一と言われ、日本初鉄筋コンクリートの高層集合住宅、学校、映画館、レストラン、病院など最先端の機能を持つ炭鉱都市として栄えた。
当時私は25歳で東京写真専門学院に入学し、2年後の27歳のとき我が故郷の代表的な炭鉱を卒業制作のテーマとして選んだ。1974年3月に島を訪れ撮影を開始したのは無人島になる1ヶ月前のことだった。閉山に向けて島中が慌しかった。子供たちが無邪気に走り回る中、人々は移転、転職にと忙しく年配者たちも終始移動の準備に追われていた。連絡船が岸壁に着くたびに人々は島を去っていく。果たして彼らはどのような心境だったのだろうか。私はこの島を去る人々とその風景をただ黙々と記録し続けた。きっかけは卒業制作のためだったが、私にとって生涯で一番の思い入れのある撮影となったのは間違いない。暗室にこもり完成したプリントに加え、密かに手作りした小さな写真集は私の宝物だ。
2024年軍艦島閉山から50年を迎えます。今展では学生時代の私が自らプリントしたヴィンテージプリントと、私の机の引き出しに50年間そっと仕舞っていた大切な写真集からセレクトで構成するため、2014年4月に開催したJCIIでの展示とはひと味違う趣きになっていると思います。若き日の私が見た軍艦島、最後の姿をたくさんの方にご高覧いただき、当時の軍艦島の姿を後世に伝えられたら嬉しく思います。
宅島正二 たくしましょうじ
1947年 長崎県雲仙市小浜町生まれ
1965年 長崎県立小浜高等学校卒業
1967年 大型貨物船員として約5年間世界を周る
1975年 東京写真専門学院(現・専門学校東京ビジュアルアーツ)卒業後、写真家 宮崎進氏に師事
1978年 フリーランスとして独立
1980年 スタジオタクを設立し、商業写真家として活動する
1998年 日本ローイング協会広報部スタッフとしてボート競技の撮影を開始し現在も続けている


2024年5月7日(火) ~ 2024年5月12日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
今回はフレームや暗室用品に加え、G.I.P. が所有する写真集や カタログ、訳ありプリントなど写真好きの皆さまがワクワクする 品を揃えてお待ちしてます。
© 2024 Keiko Takamura
Past Exhibition
高村啓子 写真展
『 波打つ光 』
2024年5月21日(火) ~ 2024年6月2日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
都会で生まれ育った私は夏になると、両親の故郷である長野県へ度々避暑に連れて行かれた。木々の隙間から射し込んでくる木漏れ日は土の上に光と影を交錯させ、風が吹くと波のように揺れていた。あの頃、森に棲む多くの小さな生命の存在に気付き、自分もまた一つの生命として光を浴びていることを実感した。それらは夥しい蝉の鳴き声と共に記憶の底に眠っている。
今でもあの陽射しはあの場所で同じように輝いているだろうか。夏の眩しい輝きは時折、日常生活の中でサブリミナルのように私の心をよぎる。いつしか私は遠い記憶にある景色を求めて森へ行く。木漏れ日を浴びながら小さな生命の鼓動に耳を澄ませる。
銀塩写真の粒子感は木漏れ日を想起させる。もしかすると私は暗室に篭りながら、幼い頃に見た木漏れ日を追い続けているのかもしれない。植物に暗室で水遣りをして、瑞々しさを取り戻させることで私のプリントは成り立っている。記憶を辿りながら水の中であの時の残像を記録しているのだ。
高村啓子 たかむらけいこ
建築の仕事に関わりながら2017年から写真を学び、
現在も一貫して銀塩プリントに拘り作品制作を行なっている。
個展
2023「Urban buoyancy」ギャラリーソラリス
2023「Urban buoyancy」Place M
2021 「ETHER 2021」space2*3
2020「浮遊する湿度」Place M
グループ展
2024「Urban buoyancy」FOTOZOFIOの17名のアーティストに選出される パブリックスペース/ FOTOZOFIOセンター
2022 「Two Plants」K2⁺ギャラリー(二人展)
2021 アート・サクレに入選 参加 セント・ニコラス教会(フランスコンピエーニュ市)
2021 Photographic Art Asia ギャラリー5610
2019 アート・サクレに入選 参加 サン・ピエール教会(フランスサンリス市)

© 2024 Yoko Fukuoka
Past Exhibition
福岡陽子 写真展
『 ダイアローグ - 記憶術 II - 』
2024年6月11日(火) ~ 2024年6月23日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
ここ数年、蝋引きした写真を組み合わせた作品を作っている。写真をプリントした紙に溶かした蝋を染み込ませると半透明になり、重ねた時に下の画像が透けて見える。昨年の個展「記憶術」では蝋引きした写真を使ったコラージュ作品を展示した。さまざまなイメージを重ねて、何かを思い出す直前に頭の中にある情景を表現した。
今回の作品は、過去の蝋引き写真のシリーズから選んだものが中心となっている。これらの作品には、蝋引きという手法以外にも共通点がある。どちらも撮影してから数ヶ月、あるいは数年間寝かせてから作品化しているのだ。撮影直後は写真と個人的な思い出の結びつきが強すぎる。時間が経ちイメージと素直に対話できるようになってやっと、写真を自分の作品にできるのだ。
作るたびに表現が複雑になってゆくような気がするが、あくまで写真で作品を作るということにこだわってきたのは、写真は撮影された時点では現実だった、という事実を気に入っているからだ。一枚の写真に共有されていたリアルが時間とともに横滑りし、そこにファンタジーの入る余地が生まれてくる。私は写真におけるこのような時間の作用に面白みを感じる。
捉えられたイメージを変容させていく「時間」そのものが形になった、そんな作品を作りたいと思う。そのための方法は未だ模索中であるが、これらのコラージュ作品は大きなヒントになる予感がする。作りながら考えながら、イメージとの対話は終わらない。
福岡陽子 ふくおかようこ
栃木県出身
1993 青山学院大学文学部第二部 英米文学科卒業
2007 東京写真学園レベルアップフォトレッスンコース終了
2010年より2014年まで 写真家 松本路子氏のワークショップに参加
■ 個展
2010 「世界パズル」ギャラリー・ニエプス(四谷)
2011 「本の街から」本と街の案内所 (神田神保町)
2015 「本と物語、または時間の肖像」森岡書店 (茅場町)
2018 第11回「手業展」同時開催「福岡陽子写真展『Biblioscenery / ビブリオシナリー』」
Gallery幹 (京都)
2018 「Biblioscenery / ビブリオシナリー」友愛診療所 (京都)
2019 「Biblioscenery / ビブリオシナリー」Art Gallery M84 (東銀座)
2021 G.I.P. Selection 福岡陽子 写真展「見ているきみがぼくなのだ」space2*3 (日本橋本町)
2023 「記憶術」JINEN GALLERY(日本橋小伝馬町)
2043 「パリンプセスト」JINEN GALLERY(日本橋堀留町)
■ おもな受賞歴
2015 『御苗場 vol.16 横浜』エプソン賞受賞
2017 写真展『アートの共演 2017睦月』フレームマン賞受賞
2020 写真展『アートの共演 2020明春』G.I.P. Tokyo賞受賞
2021 写真展『アートの共演 2021風花』M84賞受賞
2022 『芦屋写真展』佳作

© 2024 Yuna Fujimoto, Aoi Morishita
Past Exhibition
JPG's FAVE #3 藤本祐菜 × 森下葵衣
『 見えないものを見ようとする時、深淵もこちらを見ている 』
2024年7月2日(火) ~ 2024年7月14日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
Jam Photo Galleryが注目の新進写真家をピックアップする JPG’s FAVE。第3回目となる今回は、大和田良が推薦する現在東京工芸大学芸術学部で写真を学ぶ藤本祐菜と森下葵衣の展示を行います。自然風景や現象を観察しつつ写真を構成する藤本と、人物やモノを中心的なモチーフとしてきた森下には、感情や感覚の揺らぎに注目して表現を行う点で共通した視点が見られます。山形と長野、生まれ育った地域は離れていますが、それぞれの写真群とそれらが並置された空間からは世代特有の視座とも言えるものが感じられるでしょう。穏やかなだけでなく、不安や懐疑、焦燥を孕んだ二人の世界の見方からは、現代において写真表現を模索し続ける今の写真家の取り組みが見ていただけると思います。初の二人展ともなる今回の展示をこの機会に是非多くの方にご覧いただければ幸いです。
藤本祐菜 ふじもとゆうな
2002年 長野県出身 東京工芸大学芸術学部写真学科4年在籍
『クラムボン 2023』
クラムボンは宮沢賢治の「やまなし」という物語に出てくるものだ。「やまなし」は二枚の幻燈、つまり写真から作られた物語である。写真から書かれた物語を読み、物語から写真にする。言葉での表現と写真での表現それぞれの特性を活かし補い合うことで、より解像度の高い「やまなし」を作り出すことを目指した。クラムボンという生き物は存在しない。しかし、ぬいぐるみに名前をつけるように宮沢賢治は何かにクラムボンと名付けたと考えた私はクラムボンを探した。川を覗き・眺め・入り見えてきたクラムボン像を写真に残した。
森下葵衣 もりしたあおい
2002年 東京都出身 東京工芸大学芸術学部写真学科4年在籍
『願いの正体 2023』
幸せの象徴として、何を思い浮かべるか。四つ葉のクローバーは、クローバーの変異体であり、10万分の1と言われている。見つけると幸せになるというジンクスが希少性の面から生まれた。一方で魔除けの意味を持つ十字架に似ていることやアイルランドの伝説から由来しているのではないかと言われている。幸せの象徴と言われているモチーフ、事象に焦点を当て、私たちは物事を違和感なく受け止めていること、感覚的に捉えてしまうこと、影響されやすいということを提起し、ものに対する意味や既成
概念を問い直そうと考えた。幸せには絶対的基準というものはなく、 抽象的で相対的なものである。幸せの象徴と言われるものは具体的で親しみのあるものの由来は広く知られていない。しかしそれらが多くの人々にとって共通認識として存在するのだ。幸せのモチーフは幸せなのか。幸せのモチーフとは、ある人にとっては意味のないもので、ある人にとっては意味のあるものだ。他の物事と変わりないはずだ。多義性や逆説、隠喩といった要素を入れて、曖昧な境界の中でイメージがどのような問いをもたらすのかを考える。


© 2024 Akira Gomi
Past Exhibition
五味彬 写真展
『 YELLOWS1992-2024 』
2024年9月16日(月) ~ 2024年9月29日(日) ※12:00-18:00(日曜祝日17:00迄)
※五味彬 & 大和田良 ギャラリートーク開催
2024年9月21日(土) 17:00-18:30 定員25名 参加費1,000円
要予約 → https://jambooks.stores.jp/items/66e94c72d9c1570233a208a9
学生無料 → https://jambooks.stores.jp/items/66eaa11385c33704672ce89e
五味彬 ごみあきら
1953年東京生まれ。1977年に日本大学芸術学部写真学科卒業後、渡仏。ローレンス・サックマン、ミッシェル・ベルトンに師事。1983年に帰国後『流行通信』『ELLE JAPON』等のファッション誌を中心に活動。1993年には日本初のCD-ROM写真集『YELLOWS』を発表し、その後『YELLOWS 2.0』『AMERICANS』『YELLOWS 3.0』他14タイトルを発表。2011年『ShINC.MAGAZINE/』を再刊発行。2012年MILD inc.に参加。
© 2024 Yoko Ishiwata
Past Exhibition
鶴巻育子ゼミ修了展
2024年10月15日(火) ~ 2024年10月20日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
鶴巻育子ゼミでは、参加者が個々に設けたテーマに沿って半年間で作品を完成させる試みを行っています。ひとつの作品を作り上げるには十分な期間とは言えませんが、制限された時間の中でテーマを掘り下げながら研究やリサーチを重ね、制作過程における思考や新しい発見を重視しながら、見せることを意識した自身の表現に挑戦しています。
石綿葉子 井上純子 亀田隼 川瀬まり子 野村 るみ子 福浦 秀一 山下雅実

© 2024 Hitomi Sato
Past Exhibition
サトウヒトミ 写真展
『 Mirage 』
2024年10月22日(火) ~ 2024年11月3日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
記憶に漂う景色は
ふとした瞬間に
はっきりと見えたり
幾重にも重なって見えたり
目の前で掴めるような
遠眼鏡で見ているような
遠近感も重力もない
蜃気楼 のようなもの
サトウヒトミの作品と言えば常に「レイヤー」がキーワードとなる。「Layered NY」(2017年)、「Lady,Lady,Lady」(2019年)では、ゲタの高さを変え凹凸をつけたり大判の透明フィルムにプリントし、空間にレイヤーを作る展示構成が特徴的だった。「over the window」(2023年)は、かつて旅をしたヨーロッパやアメリカのスナップ写真と東京での身近な風景をパソコン上で重ね、サトウの脳内で架空の旅をしながら唯一無二の世界を作り上げる手法を取っている。
今作「Mirage」もパソコンを駆使し制作しているところに変わりはないが、軽やかで華やかな世界観を持つ過去の作品とは一線を画している。これまでは外界への憧れのようなものがサトウの眼差しから見て取れ、鏡と窓で言えば「窓」のイメージが強く感じられた。それに対し「Mirage」はイメージの抽象度が増しており、時間や場所の曖昧さが際立つ。コロナ禍による心境の変化はサトウにとっても例外ではないだろうが、それよりも内在的な視点で世界を眺め、過去の自分と向き合っているような神妙さを感じる。時間や場所の重要性よりも、記憶という曖昧な存在を意識した作品に仕上がっている。
サトウヒトミ
お茶の水女子大学舞踊教育学科卒業後、日本航空国際線客室乗務員として勤務。 東京ビジュアルアーツで写真を学び、海外のストリートスナップを撮り続けてきた。コロナ禍をきっかけに、レイヤーを用い異なる時間と場所が接続する「時空を超えたストリートスナップ」の制作を始める。2018年ZOOMS JAPAN パブリック賞受賞。主な個展に「Layered NY」(2017年 ソニーイメージングギャラリー)、「Lady,Lady,Lady」(2019年 ソニーイメージン グギャラリー、ライカストア横浜、福岡)、「mosaic of feelings」(2019年 ライカカフェプラハ)、「over the window」(2023年 キャノンギャラリー銀座、大阪)など。作品集に『イグアナと家族とひだまりと』(日本カメラ社)『over the window』(PURPLE)がある。

© 2024 Tsutomu Uozumi
Past Exhibition
魚住励 写真展
『日本写真会を立ち上げた 福原信三・福原路草と時代を共有した』
2024年11月12日(火) ~ 2024年11月17日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
新山洋一コメント
「銀座フォトサービスは父 新山清が勤めていた新橋のペンタックスサービスセンターに近くもあり、益々親密な友人関係を築いておりました。魚住調と呼ばれた作品を御子息魚住誠さんが仕上げた美しいピグメントプリントでお楽しみください。」
作品プリント:魚住誠
プリント用紙:ピクトラン局紙
企画協力 :新山洋一 *株式会社コスモスインターナショナル
魚住励 うおずみつとむ
1898年熊本八代生まれ。明治大学商科卒業、その頃盛んであった写新芸術に情熱を傾けアマチュア作家として活動を開始。福原信三が創立した日本写真会に1937年に入会し、翌年資生堂本社前の弥生館ビル1階に「銀座フォトサービス」を立ち上げた。福原信三・露草との親密な関係は続き、1946年日本写真会の再建ともに写真同人誌「寫眞藝術」に選出される。作家活動の他、アマチュア作家の育成にも精励した。1980年6月逝去。

© 2024 Masakazu Takahashi
Past Exhibition
高橋正和 写真展
『 Moment 』
2024年11月19日(火) ~ 2024年11月24日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
時間の奥行きの視覚的表現を目指した作品群です。連続撮影した写真で、時間が立体的に存在する感覚を引き出しています。この取り組みはコンピューターの仕事に関わってきたことが背景となっています。
コンピューター上でデータ化された時間は、自由に移動できる操作可能な次元であり、奥行きを持った立体として扱います。現実の世界では時間の操作はできませんが、積み重ねた連続写真で、立体的な時間を表現することができます。撮影した時間が長ければ厚く、短ければ薄く、時間の長さに応じた奥行きを表します。
デジタルでは、CTスキャナのように画像を層状に重ねて立体化できます。これによりビデオのように再生し、早送りや巻き戻し、一時停止のように積み重ねた時間を自由に見ることができます。
Momentは、立体化した時間を透視図や俯瞰図として表現する試みです。コンピューターのデータ分析や画像処理を応用し、フィルムを透かして見る、軌跡を焼き付ける、立体地図を掘り出すといった方法に倣って、時間の奥行きを再構成しています。
高橋正和 たかはしまさかず
日本マイクロソフト(株)などソフトウェア開発を経て、現在は情報セキュリティ業務、執筆活動も行なっている。娘に「親父の写真はなってない」とダメ出しされたことから写真を学び始める。ソフトウェア開発のバックグラウンドを活かし、デジタルを駆使した作品制作を行なっている。京都市京セラ美術館で開催されるエイズチャリティー美術展「Heart Art in KYOTO 2024」優秀賞を獲得するなど受賞歴多数。
<個展>
「Persona」(2015年 ブライトフォトサロン)
<グループ展>
「Sound of Wine」Heart Art in KYOTO 2024 (京都市美術館 別館)
「Persona」Heart Art in TOKYO 2016 (新国立美術館)
「smalltalks」Heart Art in TOKYO 2015 (東京都美術館)
「smalltalks」Heart Art in TOKYO 2015 (新国立美術館)

© 2024 Ikuko Tsurumaki
Past Exhibition
鶴巻育子 写真展
『 幸せのアンチテーゼ 』
2024年12月3日(火) ~ 2024年12月15日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
今年梅雨の時期に母方の伯父が他界した。親族7人だけの小さな葬儀を行い、猛暑の中松戸にあるお寺で納骨を済ませた。私はこの歳になっても家族とうまく付き合えない。母と顔を合わすのも母からのLINEも苦痛で仕方なかった。正月実家での時間が苦手で、毎年年末になると気が重くなる。
納骨の後、みんなで金町へ移動し従兄弟が予約していた割烹料理屋に入った。親戚と話すなんて葬儀の時くらいなものだから照れくさい。だけど、この日はやけに楽しくてみんなといる時間が愛おしくて、勝手に白ワインを何本もオーダーしガブガブ飲んでしまった。そして隣に座る母に優しくできた。
この本のために書いていた800文字近いテキストは、もうどうでもよくなって消してしまった。
鶴巻育子 つるまきいくこ
1972年東京生まれ。写真家。1997年の1年間渡英し語学を学ぶ。帰国後、周囲の勧めで 写真を学び始めた。カメラ雑誌の執筆や写真講師など幅広く活動する一方、2019年に東京・目黒に写真ギャラリー Jam Photo Gallery を開設。著名写真家による企画展の開催に加え、若い写真家にも発表の機会を提供し、展示のキュレーションも行っている。国内外のストリートスナップで作品を発表しながら、視覚障害者の人々を取材し「みること」をテーマとした作品にも取り組んでいる。

© 2024 Emi Yamamoto
Past Exhibition
山本瑛美 写真展
『 不惑のようなもの 』
2024年12月17日(火) ~ 2024年12月22日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄)
「不惑」... 四十にして惑わず。人は40歳になれば道理を知って迷わない。 <「論語」為政>
40歳を迎えるにあたり、好きなアーティストの歌詞で昔知った”不惑”という言葉を思い出した。私は惑うことのない40代を迎えられるのだろうか。
カメラで日常を切り取るなんて私には向いていない。私の日常はきらきらしていなくて撮るに値しない。それはわかっていたけれど、 30代を終える私にどんな変化が起こるのかを知りたくて、自分を観察するため、40歳の誕生日の少し前から後まで、写真を撮り続けた。
本写真展では、不惑となる歳に改めて感じた自分自身の価値観や哲学を複数シリーズから構成される作品で表現している。
山本瑛美 やまもとえみ
1984年生まれ。千葉県出身、東京都在住。グルメ系WEB企業で働きながら、写真家活動を行う。
2011年に一眼レフを購入。2013年から写真教室でカメラの勉強をはじめる。2016年に初の個展を開催。2017年からはAbox Photo Academyにて一期生としてアート写真について探求し、2023年に卒業。旅の情景や静物を被写体に、「旅」「普通」「変化」などをテーマとし、自分の内面や思考を表現したアート作品を制作。ベースは写真だが、写真の手法やルールに捉われず、いち表現者として伝えたいことを作品を通じて発信している。
https://www.instagram.com/emitan_tabi/
[主な写真活動歴]
2015.10 『PHaT PHOTO写真教室 秋の文化祭2015』 フォトブック賞受賞
2015.12 グループ展『warmshare』出展 (America-Bashi Gallery/恵比寿)
2016.02 『御苗場 Vol.18』出展(大桟橋ホール/横浜)
2016.04 グループ展『単焦点倶楽部合同写真展』出展 (72gallery/京橋)
2016.09 『PHaT PHOTO写真教室 秋の文化祭2016』 講師賞・フォトブック優秀賞受賞
2016.12 個展『パン、ときどき、旅。〜マテリアルとカタルシス〜』開催 (monogram/学芸大学)
2017.04 グループ展『神島塾5期生展』出展 (72gallery/京橋)
2019.06 グループ展『Abox Photo Academy作品展2019』出展 (目黒区美術館区民ギャラリー)
2020.12 個展『普通になりたかった』開催 (monogram/学芸大学)
2022.04 グループ展『AboxPhotoClubToyama 2021』出展 (富山市ガラス美術館 ギャラリー1.2)
2023.05 個展『私以外変わっていく』開催(Jam Photo Gallery/目黒) / 図録『私以外変わっていく』発売
2023.09 写真詩集『自由でよかった』発売 / 展示販売会『自由でよかった』同時開催 (monogram/学芸大学)
2024.03 sUm 山本瑛美 写真展『影をまとう』開催 (弘重ギャラリー/恵比寿)